ORANGE diary

日常のファンタジーへと

パーソンの乱(思うところ)

「キスマイのお母さん」

この言葉が横尾さんをがんじがらめにさせてたなんて思いもしなかった。言い出したみっくんが悪いとかそういう意味ではないのであしからずなんだけど、どこかで頼られる自分を心地いいと思っていたんだ、必要とされてることを感じたくてこの言葉を横尾さんは気に入ってたのかも、と思う。


「キスマイのためになること、メンバーが気持ちよく仕事するためにできること全部やろうって」
裸の時代で横尾さんが変わろうって決意した時「俺の人生、あいつら(メンバー)に捧げる」の「捧げる」の意味として言った言葉。これ、自分主体のセリフではないし自分の人生の一部としてのキスマイではない。完全に他人事。他人に自分の人生預けてる。

そもそもデビュー発表してからもまだ迷ってることとかどこか流れがすべて他人事なのが裸の時代を読んでてすごく伝わってくる。あの本を読み返すと、今までのことを吐き出してごめんなさい、これからの俺を見てって言ってるけどまだキスマイのメンバーの一員って自覚ないよね。

 

この本が世に出た時に私はまだキスマイのファンじゃありませんでした。
横尾さんを好きになってからこの本が踏絵だと聞いてまず読みました。
その時はもう横尾さんは舞祭組のメンバーでそこそこおもしろいキャラだったから読んでも特に衝撃を受けるってことはなくて今の今までほとんど開いてませんでした。

だって過去は過去だし。

そう思ってた。

 

今回、PERSONの記事があまりにもよくて横尾さんが自然体でインタビューを受けていたことに感動してあえて裸の時代と対比させてみたくなり今まで開かなかった裸の時代を読み返しました。

 

そこで共通点として出てきた言葉「キスマイのお母さん」

PERSONでは『俺がしっかりしないとってすごく思ってた。そんなにしっかりもしてないのに頑張ろうとしていつしか自分でプレッシャーをかけてた』って。
ニカちゃんやみっくんが忘れてきたものを貸してあげるために荷物たくさん持ってく、とかそういうレベルでのお母さんではなくてその「キスマイのお母さん」って言葉の裏側に隠されてる「自分がしっかりしないと」「ジャニーズだし完璧でなければならない」「メンバーを支えないと」って想いが強すぎたのか何か考え違いだったのか、これに縛られてたんだなって感じた。

 

この言葉の裏にあるのが横尾渉のプライドだったんじゃないかなとも思う。

 

「周りの人の言葉で自分が背負ってた荷物をおろせた」
中居さんに化けの皮をはがされたのも、亀梨君がずっと安定剤でいてくれたことも大きいけど結局はバラエティーにたくさん出たことで「俺できないじゃん」ってちゃんと自分で認めたことがターニングポイントだったのでは?
「できなくても笑いになればいいんだ、成長してできるようになればいいんだ」って。
多分このセリフは裸の時代では出てこないと思う。

 

好きなことを仕事にできたってすごく強みで自信がついたんだろうなー。ペットの王国だけじゃなくてプレバトでお料理させてもらえたりっていうのも転機だったのかな。いくらUTAGEみたいなバラエティーでイジられてオイシイ思いしたとしても荷物はおろせないままだったのかも。


もう一つ、メンバーに対する思いが絶対に前より強くなってるってことをPERSONでは感じました。
「キスマイ」を大事にしている横尾さんがはっきり伝わってきた。
「グループあってのソロ活動ってことも身に沁みてわかる。だから一人で仕事する時もキスマイありきってことは絶対忘れちゃいけないって全員が感じてると思います」
「ソロの仕事に出るメンバーをみんなが『頑張ってこい、その分何か持ち帰ってこいよ」って思いで送り出してる」
7人常に一緒じゃダメで個々の力を伸ばす時期も必要って、そんなセリフを横尾さんの口から聞けるとは正直思ってなかった。
これはあまり言いたくなかったんだけどたぶん事務所のごたごたがあって、色々目にしたり耳にしたことで横尾さんも気づいたところはあったんじゃないかなと思う。

 

裸の時代と対比させるなら昔は「言葉にすることじゃないですよね。『僕メンバーのこと考えてます』ダサくないですか?(笑)」

 

そんなおまえがダサいんじゃーーーー!!!

って言いたいわボケ。


ペットのお話を意気揚々と語る横尾さん、これからのことについてもちゃんとビジョンを見据えている横尾さん、その道のプロと会話できるようになりたいというポジティブな横尾さん。素敵だと思いませんか?

お前ジャニーズって肩書きがあるならまず踊れや歌えやビジュアルに気使えやって思うことはまだあるんだけど、今まで感じとれなかったポジティブ・前向き・キラキラの横尾さんがPERSONを読んだことによってそこにいるんだよね。

 

【たまに顔を出す不完全さが人の心をくすぐる魅力になる】
まさにこれしかない。

 

このインタビューを受けたタイミングが非常によかったからこの回答が引き出せたのかなとも思ってしまう。単独のお仕事で何か新しいことがあってその宣伝、って意味での登場じゃなくて本当によかった。


他人事でもなんでもキスマイに居続けてくれてありがとう横尾さん。
「どんなに頑張っても一瞬で水の泡。がむしゃらに頑張ってるやつが大嫌いだった」って言ってた横尾さんはもうここにはいない。

 


横尾さんが大好きです。